スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「子どもへの手紙」

Eさん(県外在住)
------------------------------------
子どもへの手紙
今あなたの過ごす毎日は楽しいですか?
今あなたから見える世界はたくさんの色で輝いていますか?

震災の日どんなことがあったか
伝えておきたくて手紙にしました。
記憶が風化する前に事実を書いておきたかったので
状況ばかりが記されているけれど
少し想像して読んでくれたら嬉しいです。

あなたが生まれて1ヶ月を過ぎた頃
あの震災は起きました。
まるで映画のような世界。
モノ、時間、思い出、幸せ、当たり前に感じていた生活、
その多くが壊れ、流され、失われました。

私はあなたを守ることで必死でしたが
両手にすっぽり埋まるほど小さなあなたを抱え
うずくまることしかできませんでした。
とにかくあなたより先に
私に災いが降りかかればそれだけでいいと
身をかがめ、うずくまり続けました。

その大きな地震の後は
食事や飲み水を確保するのも困難なうえ、
余震が来るたびにあの地震を思い出し不安な毎日を
過ごしました。
そんな毎日の中、もっと悲しい出来事が起きました。

原発事故。

私たちの住む福島の街に
目に見えない得体の知らない恐怖が近づいていました。

あなたのお父さんは放射線のもたらす害を知り、
「とにかく西へ、できるだけ遠くへ今日中に避難して欲しい」と
私たちに言いました。
ライフラインも整わない、道もガソリンもなくなった世界。

こんな不安な時にどうして二人で・・・?
どうして今?どうして私たちが?
このまま福島に帰れなかったら・・・
家族に会えなくなったら・・・
避難の途中でガソリンが底をつき動けなくなったら・・・
食べ物がなくなったら・・・
母乳がでなくなったら・・・
水がなくミルクが作れなくなったら・・・

私たちは死んでしまうの・・・?

今では考えられないでしょうが、
本気でそう思うほど、福島は、東日本はぐちゃぐちゃでした。

でも、
私たちはあなたの未来を守る可能性を選び
行動することにしました。

あなたのおばあちゃんは、
たどり着けつかわからない不安の中
私たち親子を守るために12時間止まることなく
車を運転してついてきてくれました。
まっくらな道、渋滞をガソリンを使わないように暖房もつけず。

「まっくらだね、家が壊れてる、道が陥没しているよ、
放射能ってなんなの?
関東も食料がなかったらどうしよう
この渋滞みんなどこに向かっているのだろう・・・」

その12時間の会話はその繰り返しでした。
笑顔になれるような会話すら思い浮かばない、
そんな話題ではこの不安は取り除けない・・・
元気などでで来ない

これがその時の心境。
でも、あなたはそんな長時間の車内でも
スヤスヤと寝てくれた。
あなたの存在だけが私と母を前に進めてくれました。

埼玉の標識が見えたときは涙で止まりませんでした。
それから11ヶ月の避難生活は始まりました。

水、オムツ、お米など、
たくさんの人たちが私たちを心配し、支援してくれました。


この震災は、
悲しみや不安を私たちに与えましたが、
それと同時に人の心の暖かさ、優しさを伝えてくれました。
困ったとき、隣の人の一言が心を落ち着かせてくれること
を教えてくれました。
困っている原因を取り除くことももちろん大切ですが、
困っている人のその声をただ聞くことで
その人の気持ちは少しでも軽くなることを実感しました。


今あなたからはどんな世界がみえていますか?

あなたのお父さんも、おばあちゃんも、家族も、私も
あなたの未来を想い、あの日を乗り越えました。
だからなにかを残せとも、充実した毎日を過ごしなさい
とも私は思いません。

どんな毎日でもいい
自分を愛することができる人になっていてほしい
同じくらい周りを愛することができる人になってほしい

そうしたらあなたからみえる世界は
色々な表情をしているんじゃないかな、

いつか
困っている人がいたら声をかけられる人に
なってくれたら、嬉しいな。

笑顔ですくすくと育ってくれますようにと
願いをこめて。。。

そしてあの日を忘れないために。

追伸。
あなたが初めて笑ってくれたのは、震災の日
3月11日の地震の後です。
私たちに力をくれてありがとうね。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

FnnnP事務局

Author:FnnnP事務局
福島乳幼児妊産婦ニーズ対応プロジェクト(FnnnP)では、原発事故後、小さな子どもを抱えるご家族を中心に、福島県からの保養・避難のサポートや実態調査を行ってきました。同様に、 福島県内の子育て団体と協力し、実態調査を行い、明らかになったニーズに対応してきました。
(公式ブログ:http://fukushimaneeds.blog50.fc2.com/)

※なお、お手紙の掲載にあたりましては、ご本人の了承を得て事務局より連絡し、掲載の最終確認を頂いたお手紙のみを掲載しています。また、お名前や居住地等もご希望に沿い、修正や削除の希望がない限り原文通り(誤字等も含む)、全文を記載しています。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。